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------------広島eマガジン  VOL.766  10.10-----------------
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*ベストセラー、養老孟司の「バカの壁」

 ベストセラーになっている、新潮新書の養老孟司の「バカの壁」。
前から気になっており、やっと読みました。個人的はどうも馴染め
ないなあと思っていましたが、最後の方の第七章「教育の怪しさ」
と第八章「一元論を超えて」は、このところ、ずっと思っていること
と結構一緒だったので、とっても勉強になり、面白かったです。

(163頁より)
 そもそも教育というのは本来、自分自身が生きていることに夢
を持っている教師じゃないと出来ないはずです。突き詰めて言え
ば、「おまえたち、俺を見習え」という話なんですから。要するに、
自分を真似ろと言っているわけですから。それでは自分を真似ろ
というほど立派に生きている教師がどれだけいるのか。結局のと
ころ、たかだか、教師になる方法を教えられるだけじゃないのか。

(169頁より)
 授業をしている身で言うのも矛盾していますが、学生には常々
こんな風に言っています。「こんな穴蔵みたいな教室で、俺みた
いな爺いの考えを聞いているんじゃない。さっさと外に行って、
体を使って働け」と。そのほうが絶対にまともだと思うのです。

(176頁より)
 これまで「バカ」について、また思考停止を招いている状況、あ
べこべの状況について延べてきました。現代人がいかに考えな
いままに、己の周囲に壁を作っているか。そもそもいつの間にか
大事なことを考えなくなってしまっていることを指摘してきました。

(200頁より)
 知的労働というのは、重荷を背負うことです。物を考えるという
ことは決して楽なことじゃないよということを教えているつもりです。
それでも、学問について、多くの学生が、考えることについて楽を
したいと思っているのであれば、そこにはやはり、もうどうしようも
ない壁がある。それはわかる、わからないの能力の問題ではな
くて、実はモチベーションの問題です。それが非常に怖い。

*この本がベストセラーになっている現実を鑑み、高度経済成長
を背景に物を考えずに済んできた日本人が、これから自分の頭
で物を考え、そして行動できる資質になればと思いますね。もっと
も自分としても、これまで果たして、どれぐらい物事を考えてきた
かどうかは自信のないところではありますが・・・

 私の友人は常々言っています。「よく見て、よく聞いて、よく考え
ること」「常に検証し、熟考すること」。そんな意識を高めるために
も、結構いい本だなというのが、読み終えた感想です。

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