HIROSHIMA NET MAGAZINE 10/5
ライフ・レポート その20
2000年問題の本質
先日、2000年問題に関して、臨床心理学者の中川一郎さんの講演会に参加して
きました。2000年問題の危険性をもとより、それを契機に、いかにどんな社会を
目指すかといったことにも触れて、とっても勉強になりました。資料によると、中
川さんの言いたいことは次の通りです。
「まだ、一般の2000年問題に関する理解は浅く、ほとんどの人達が世界規模で
起こりうる厳しい状況を知らないでおられます。2000年問題はコンピュータを使っ
ている人の問題だと思い込み、コンピュータを持っていなくても自分や家族に直接
関わるものであることを知らない人達が大半です。そんな中、準備不足やパニック
にならないためにも、なるべく多くの人達が2000年問題の現状と対処法を正しく
把握し、早急に個人そしてコミュニティのレベルで万全な対処をすることが必要で
す。また、限られたリソースと時間しかなく、大規模な問題であるだけに、サバイ
バリズム(個人主義的な対処)では共倒れになる可能性が高いのです。ですから、
援助しあえる繋がり(コミュニティ)の中で準備を始めることが最も重要です」。
詳しいことは、Y2K市民ネット・ホームページ
(http://www.mediaforest.com/y2k/)をご覧いただきたいのですが、関心し
たのは、この2000年問題を個人レベルで水、食糧などを備蓄することはもちろん
ですが、でも決して自分だけ、自分の家族だけが生き残ろうとするのではなく、回
りの人達とコミュニティを形成し、阪神大震災が起こったときのような、みんなで
炊き出ししたり、助け合うような形でないと、この難局は乗り越えることができな
いのではないかという視点です。
21世紀は「こころの時代」と言われています。一人一人が個人主義に陥り、隣近
所の共同体意識がなくなっていった20世紀末。果たして、このままでいいのか、もっ
と、隣近所の人と昔のような付き合いはできないのか。血で繋がった親戚関係も重
要ですが、地で繋がった近所付き合いも同時に重要であることを、2000年問題は
提示しているような気がしています。
ここ、高陽町に引っ越して来て、町内会活動がまだ、日本で存在していることを
知り、引越当時に体育委員、そしていまは福祉リーダーなるものをしています。何
か、具体的にお役に立っているわけでもありませんが、コミュニティの一つの形で
ある、町内会活動というものに関わりながら、いろいろを勉強しているところです。
2000年問題を聞いた翌日、たまたま隣の人、このマンションの管理組合の会長
さんに会いましたので、ちょっと2000年問題に触れたら「あれって、コンピュー
タのことで、日本はまず、大丈夫ということでしょう」と言われました。大抵の日
本人の意識って、そうですよね。でも、本当に何もなく、無事に乗り越えることが
できるかどうか、多くの疑問があるのが、真実のようです。