HIROSHIMA NET MAGAZINE 4/18
ライフ・レポート その8
施設なんてなくなればいい
4月17日の土曜日、特別養護老人ホーム誠和園の村上廣夫園長さんのお話を聞く
機会がありました。以前、中国新聞に入居されている老人の写真を撮っていること
などが紹介されていて、是非、話を聞いてみたいと思っていた人で、想像していた
以上にとっても素晴らしい方でした。作業所などを運営されている献身的な方も広
島には沢山おられますが、この村上さんの話を是非、皆さん聞かれた方がいいと思
います。高齢者社会に向けていま、考えなければならない老人問題をこんなにスパ
ッと言い切っている人は他にはいないと思います。
老人ホームの経営者として、村上さんが思われていることは「こういった施設が
なくなるような社会づくりをしたいということ」。どういうことかといいますと、
パンツが転がっていたりして、どんなに汚くて整っていない家であっても、その人
が生まれ育った自宅で生活でき、それを支えるような地域社会ができたら、どんな
にか、素晴らしいのではないかという思いも持たれています。
あと、感動的だったのは「深夜に100回、200回ナースコールを呼ばれた時、あ
なたはどうするのか」という質問。夜にナースコールが呼ばれて村上さんが行って
みると「何でもないけど、あなたの顔が見たかったからだ」と言われます。それが
一晩に1回や2回ではありません。何度も何度も深夜に呼ばれて、でも、村上さんは
そんな時「私があなたに出来ることがあったら、いつでも呼んで下さいね」と言わ
れるそうです。
講演の後に懇親会があったのですが、村上さんは「私がいま、こうしたビールを
飲んで楽しくしていますが、施設には当直の人がいて、やっぱり同じように深夜ナ
ースコールを呼ばれたら、どんなに眠くても、呼ばれたところに行きます。そして、
排便・排尿の処置のために体に染み付いた臭いを取るために、自宅に帰ったら真っ
先にシャワーを浴びます」。そんな話を真剣に、時には笑いを取りながら、しかも
とっても控えめに話される村上さんの言葉は本当に感動的でした。
「機会があれば、いつでも講演します」と言われる村上さん。私が思いますに、
100人位の規模で真剣に高齢者福祉を考えるといった会合で、村上さんの撮られた、
生き生きした老人達の写真のスライドを見ながら、是非また話をお聞きしたいと
思っております。
他にも、45歳以上でインターネットを楽しんでいる人達の集まりに参加したりし
たりして、有意義なことの沢山ある毎日を過ごしておりますが、この村上さんの話
は圧倒的でした。村上廣夫さんという名前、そして特別養護老人ホーム「誠和園」、
デイサービスセンター「せいわ園」の名前は、記憶に留めていただきたいと思って
おります。
それと、余談ですが、私の父親は定年退職し、好きな海外旅行に行って、楽しん
でおります。そして、父がまた、とっても文章が書くことの好きな人で、旅行記を
自費出版したことがあります。そして、あるツアーに参加し、紀行文を書いたとこ
ろ、そのホームページに載っています。インターネットが何のことかわからない父
の文章が、インターネットのホームページに載っているという不思議なことの紹介
です。URLは、http://www.hmc.or.jp/~willtour/ です。時間の余裕のある方
はのぞいていただけたら、幸いです。